「びっくりしたよ!! 花音が水浸しになって閉じ込められたって聞いたから!!」
「……いや、うん、まぁその通りなんだけど」
恥ずかしいなぁ。
というか、誰から聞いたの、それ。
情報回るのはやすぎじゃない?
「無事でよかったぁ~!! うわっ、体つめた!?」
わたしの肌に触れたこころちゃんが驚いたように声をあげる。
忙しいなぁ。この子。
隣では尊くんが面白そうにニコニコしていて。
幸せだな、とほんのり、確かに思う。
三人でガヤガヤしていたら、またひとり保健室に入ってくる影があった。
「こころちゃん、カバン置き去りにして走って行かないでよ」
絃くんだ。
こころちゃんのうしろから覗かせたその顔は呆れながらも優しく笑っていた。



