【完】溺愛禁止令







ついたのはやっぱり保健室で。
先生には二人そろってちゃんと心配されたけど。




幸いふたりとも体操服のままだったし、体を拭くタオルだけ借りて制服に着替えるだけで事なきを得た。




「もう放課後だし、あとは気が済むまでここにいたらいいわ」



という先生の言葉に甘えて、尊くんとふたりで話していると。




突然、大きな音を立ててドアが開いたあと、もう一年半の付き合いになる親友が飛び込んできた。





「花音~っ」




なんでこころちゃんが泣いてるの?
…と思ったけど、心配かけちゃったのかな、わたしが。




千代森さんには、わたしを好きな人なんていない…って言われちゃったけど。
やっぱり、こんなこころちゃんや、さっき走って助けに来てくれた尊くんの様子を見ると、愛されてるなぁ…と思うわけで。