向かい合わせ、机二つ分もあったふたりの距離は。
……いつの間にか、ゼロに。




「っ……ん」




だけど、この前より短め。
すぐに離れてしまった。




それがどうしようもなく切なくて。
きっと、好きだっていうのを自覚したから…だと思う。




わたし、この人の彼女になりたい。



恋人同士だったら…もっとたくさん、キスできたんだろうか。
そんな柄にもないことを思ってしまうくらい、わたしは尊くんにべた惚れらしい。




もう手遅れかも…。
そんなことを考えていたら。




「……え、なんで泣いてんの…花音」




戸惑うような尊くんの声がきこえて、わたしははじめて自分が泣いていることに気づいた。