わたしは反対側の隣に並んで歩く坂瀬くんを見上げた。
…いや、別に深い意味はないんだけどね、うん。
わたしの視線に気づいた彼はふっと微笑んでみせる。
「どーしたの、小波さん」
…いつも通りだ。
めちゃくちゃいつも通り。
昨日告白して振られたといえば、坂瀬くんだって同じ状況だよね…?
「…坂瀬くんは気まずくならないの?」
よそよそしい、のよの字もないけど。
「俺はあいつとは違って、そんな弱くないからね」
そんな風に笑ってるけど、昨日泣きそうになってたのを知ってるから複雑な気持ちだ。
与田さんの背中を見つめながら伏見稲荷の低くて広い階段をのぼるわたしたち。
…恋って難しいんだなぁ。
わたしも、昨日ようやく自覚したばかりの新米だからね。



