【完】溺愛禁止令







「で! あれどういうことっ、花音!!」





夜の旅館。
大浴場からの帰り道、わたしはこころちゃんに詰められていた。




…あれ、というのは。





坂瀬くんに手を握ってもらっていた昼間の話。
結局あのあと、合流したこころちゃんにその場面を目撃されてしまい、そのときも『なんで? 付き合ったの!?』と問い詰められたけど、『あとで話すね』と言って流してしまったんだ。





そのツケが今回ってきてるだけなんだけど…。




「…その、今日も与田さんと尊くんがくっついててね、その姿を見てたら気分が悪くなっちゃったから、坂瀬くんに手を握っててもらったの」


「……え? 気分悪くなったって、花音…」


「あ、でも、もう平気だからねっ」


「いや、そういうことじゃなくてさ」