…その場しのぎなのは分かってるけど、”彼氏”っていうのを肯定した。
なんでこんなに胸が高鳴るの?
「えー……今回は絶対いけると思ってたのになぁ。惜しい」
「…ご、ごめんなさ」
「謝んなくていいから、花音」
「あはは。仲いいね。はい、これメガネ」
しっかりメガネも返してもらって、彼は「バイバイ」と言いながら遠くの方に消えていった。
…少しの沈黙も気まずい。
尊くんといてこんな風に思うのははじめて。
「なんで易々と連絡先交換しようとしてんの」
「あれは……やむを得ず、と言いますか」
うん。
それしか解決策がなかったんです。
わたし、頭弱いからね。



