「……わかりました。交換、しましょうか…」
観念した。
今のわたしにはメガネのほうが重要だ。
「マジで! やった」と嬉しそうに言う彼を横目に、諦めてスマホを取り出そうとすると。
今度は、別の方から腕をつかまれた。
「っ……なにしてんの」
その言葉は、男の人にではなくて、わたしに向けられたものだった。
パッと顔をあげると…やっぱり、尊くん。
今日、ずっと話せていなかったしさっきモヤモヤしていたのもあって、その顔を見るだけで安心して涙が出そう。
「うわ、なに? 彼氏?」
「……そうだけど。この子、簡単に手出していいような安物じゃねーから」



