【完】溺愛禁止令






「みこ……っ」





不意に花音に手をパシパシ叩かれて、現実に引き戻される。




…あっぶね。
ていうか、もうアウトか。




夢中になりすぎて、花音の服の中に手入れようとしてた。
…最悪。




流石に引かれたか…と思って花音の顔を見るけど。



…その心配はなさそう。
だって、めちゃくちゃ顔は紅潮して、涙目。




そんな表情で嫌がられても説得力ないからね、今更。






「っ……ど、どうしたの、尊くん…」


「…ごめん」


「え、謝ってほしいわけじゃなくて…っ、その…」






…うん。
分かってる。



ドキドキしたんだよな? 花音。



だけどそれが目的だからね。
もう、ごめんなんて言ってやらない。