花音の目の前に立って、サラっと彼女の髪を撫でた。
…柔らかい。いい匂いする。
「っ……み、みことくん…?」
「ん?」
「…近い」
小さな小さな抵抗。
俯いて、赤い顔をして、潤んだ瞳で。
なんにも効かないよ、そんなの。
「かわいい」
「…あ、あの…っ」
今度は、頬に手を添えた。
白くてきめ細かな肌。
透明感やばいし、人形みたい。
俺を見上げる瞳に吸い込まれそう。
俺は、花音を囲うように窓枠に両腕をついて、逃げられないようにした。
「……花音は、永遠って信じる?」
後夜祭のジンクスね。
永遠に結ばれるって、そんなのあんのかな。



