「……やっぱりここにいた、花音」
到着したのは、俺たちの教室。
その窓際に立って、暗くなり炎の燃えるグラウンドを見下ろしている。
…後ろ姿のシルエットが、泣きそうなくらい綺麗だった。
「……尊くん?」
驚いたように振り返る花音。
やけに色っぽい唇を、何度奪いたいと思ったことか。
花音のはじめては、ぜんぶ俺がよくて。
渡したくなんか、なくて。
「なんで……千代森さんとの、約束は…」
「行かなかった」
そう答えて、花音に近寄る。
その間も、花音は戸惑ったように「…なんで?」と聞いてきた。
花音以外の女に触れるのも、嫌なんだよ。
わかんないんだろうけど、恋を知らない花音には。



