俺はチラ、と花音を見下ろした。
…花音は意味も分かってなさそうに首を傾げている。
本当だったら花音と踊る予定だったし。
…というか、それ以外ありえないし。
だけど、まぁ。
これで解放されんなら、その場しのぎの口約束でもなんでもしてやるよ。
「分かった。…じゃ、また夜な」
「ほんとっ……うん、またあとで」
アイツもアイツで、相当単純だ。
俺の返事ひとつで頬緩めちゃって。
…あー、疲れた。
「…尊くんも大変だねぇ」
とか言ってのんきに笑ってるけどさ。
俺が風音と踊る約束してたの見てもなんも思わない?
…思うわけないか。
花音に嫉妬心とかあるわけないし。



