「あ、てかさ……花音ちゃん」
「へ?」
「俺に敬語使わなくていいから」
絃くんはサラッとそう言って、一軍グループの中へ混じっていった。
言い逃げされたから拒否する暇なかった…。
敬語使うなって言われても…。
こころちゃんは同性だったから、タメ口になるのにそこまで時間はかからなかった。
だけど異性ってなると。
一気にハードルが上がってしまった感じがする。
「…花音?」
「……あ、なに?」
ぼーっとしてた。
こころちゃんの方をむくと、可愛らしい顔を膨らませて拗ねてる。
「さっきから何回も呼んでるのに!」
「ごめんね」
「花音だから許してあげる。それより、ここ教えて」
あぁ、数学の…。
わたしは一旦思考回路をリセットして、こころちゃんのノートを覗き込んだ。



