今日の花音はいつもと違う。
相変わらずメガネはしてるけど…。


制服の上からパーカーを羽織ってて、こんなラフな花音ははじめてみた。





「…おはよ、花音」





無意識なんだろうけど、俺の隣に立った花音に挨拶をすると、彼女も照れくさそうに「おはよう」と返してくれた。



…いやしかし、かっわいいな。



なんでこの子が俺の彼女じゃないんだろう?
毎晩寝る前に考えるけど、答えは明白で。




それは花音が俺のことを好きじゃないから。
しかも、たぶん……俺がまだ風音のことを好きだと勘違いしてる。




俺が文化祭一緒に回ろうと誘ったときにも『千代森さんじゃなくていいの?』と聞かれた。



もうね、ため息しか出ない。
花音の鈍感ぶりには。