【完】溺愛禁止令






ゆっくり、さらに距離を縮めてくる尊くん。
しばらくして、その足が止まったかと思えば…。



尊くんの眉間に、しわが寄った。




「……花音、変なにおいする」


「えっ!?」




なんで…?
って思ったけど、ちょっと考えればわかった。



そういえば、合コン相手の男の子たち、みんな匂いのキツイ香水をつけてたから…。



きっと、匂いが移っちゃったんだ。
ど、どうしよう…?
言い訳なんて思い浮かばないよ…。





「何してきたの?」


「……や、なにも」





目をそらしても尊くんは逃がしてくれない。
それどころか、「言わないと怒るよ」って既に怒りながら言ってる。