【完】溺愛禁止令





絃くんの何気ない発言に密かに感動していると。





「おい、絃」





普段教室でよく聞いている声の持ち主が、絃くんを呼んだ。



思わずそちらに視線を向けると、不意に目が合って…思いっきり、逸らしてしまった。



あぁもう、なんで…。
今のは印象良くなかった。
絶対よくなかった!



だって、あまりに顔が整いすぎて、直視なんてできない。
絃くんのことですら直視できないのに。




「どした? 尊(みこと)」





絃くんがその人の名前を呼びながら振り向いた。
その隙に、もう一度その人を見上げる。




春休み中に染めたという暗めダークブラウンの髪。ダボッとオーバーサイズの茶色のカーディガン。


左手についた腕時計。
柔らかいアーモンドアイと奥2重。


白い肌と細いのにゴツゴツと男の子らしい手。



なにより、その端正な顔立ち。
…同じ人間とは思えない。



絃くんもじゅうぶん太陽だけど、この人は太陽というか…核?


そう、太陽のもっと奥深く、核の部分。