【完】溺愛禁止令






サッと髪を撫でられて、背筋がゾクッてした。
…うぅ、はやく終わんないかなぁ…。




「冬樹、ちょっとこっち来て!」




壁際の席から呼ばれた冬樹くんは、そそくさとそっちへ行ってしまった。
ほっとしていたのもつかの間。





「疲れ切ってるみたいだけど、大丈夫?」


「…あ、大丈夫、です」





今度はクール系男子。零夜くん。
この人は冬樹くんよりマシかな…?





「花音ちゃんって数合わせなんだってね? 今日」


「え、あぁ…そうみたいですね」


「好きな人とか彼氏とかいないの?」




…もっと大人しいかと思ったのに、結構ぐいぐい聞いてくるなぁ。