「…あ、わたしは花音…です。趣味は…読書? です、よろしくおねがいします…」
なんとか自己紹介を終えて、一番に声を出したのは美乃梨さんだった。
「えっ、花音って…あの小波花音?」
「そうだよー」
わたしの代わりにこころちゃんが答える。
…あれ、名前、覚えられて…?
「うっそ、こんな可愛かったの!?」
「ふふん、原石は磨けば光るからね」
なんでこころちゃんが得意げなの…。
突然褒められて、普通に照れてしまった。
「なになに? どういうことー?」 って、名前は確か…琢磨くん。
「あ、花音ちゃんは学校では……」
そういって説明しかけた美乃梨さんの言葉を遮るように、こころちゃんが。
「ま、いいじゃん、学校の話は。はやく料理頼もうよーっ」
…たぶん、今、助けてくれたよね?
よかった。学校での自分は…お世辞にも”好き”とは言えないから。
そうして、みんなが各々食べたいものを注文していった。



