【完】溺愛禁止令






「ちょ、ちょっと、こころちゃ……」


「しっ!! 時間ないんだから急ぐよっ」





連れてこられたのは学校のトイレ。




急ぐって言われても…。
せめて、これから何があるかくらいは教えてくれない…?




こころちゃんはなんだかわたしの顔をいじって。
…これ、もしかしなくてもメイクされてるよね?





「今日コンタクトとかって持ってたりしないよね…?」


「あ、持ってるよ」


「えっ、ほんと!? 出して出して!!」





目を輝かせたこころちゃんに従って、わたしはコンタクトをカバンから取り出して、言われるがままにメガネを外した。





「…うん! かわいい! やっぱり花音が適材だったなぁ」


「こころちゃん、さっきから何の話……」


「じゃ、行くよ!!」





もう一度こころちゃんに手首を引っ張られて、結局行先も教えてもらえないまま学校から出た。