【完】溺愛禁止令





「だって、よかったね、花音」


「……うん」





思わず頬が緩んじゃうよ。

わたしのドキドキもそのままに、こころちゃんは「じゃああたしたちは泳いでくるねっ」と言って絃くんを連れて海へ行ってしまった。




…えぇ?
この状況で、尊くんと二人にするの?




無慈悲だ…こころちゃん。





「あー……花音らしくない水着だな」


「っ…や、やっぱり変…かな?」





恐る恐る聞くと、尊くんはわたしの隣に座った。




「そうじゃなくて。……可愛すぎて、どうしようって思ってる」





わたしの胸のドキドキが、尊くんにまで聞こえてしまいそう。
…そっか。尊くんにかわいいって思ってもらえたなら、いいや。