「花音もスタイルいいし可愛いんだから、自信持てばいいのになぁ」
「ほんとだよね」
こころちゃんも絃くんも、わたしの気持ち全然分かってくれない。
四人で海まで移動しながら、わたしは居心地が悪かった。
だけど…。
すっ、と隣から手が伸びてきて。
「…大丈夫? 花音」
前列で話に花を咲かせる絃くんとこころちゃんに気づかれないほど小さな声で、尊くんが心配そうに声をかけてくれる。
…びっくりした。
でも、尊くんだけ気づいてくれた…。
「…うん、大丈夫」
繋がれた手と手。
うれしい。…ドキドキする。
そうだった。
尊くんがいることをマイナスとして捉えてたけど、いつも尊くんに救われてきたじゃない、わたし。
「尊くん、わたしの水着みても…笑ったり、幻滅しないでね」
わたしが言うと、彼はそっぽを向きながら。
「…しないよ。むしろ──」
むしろ…?
気になったけど、尊くんは続きを話してくれなかった。
そのあと、絃くんがうしろを振り向いて。
「尊っ、花音ちゃんの水着露出高めだってさ、よかったな!」
なんて意味わかんないことを言っては。
「…うるさいし、前向いて歩かないと転ぶぞ」
って、尊くんに突っぱねられてた。
そんな、暑い夏の一日のはじまり。



