「俺の順位…っ」
「うん、見たよ」
すごいね、おめでとう…って心からのお祝いの言葉。
尊くんは誰にも見えないように、そっとわたしの手を握って。
「花音のおかげ」
…なんていって笑う。
尊くんが頑張った成果なんだけどなぁ。
「あ、尊くんじゃん」
「若狭さん。今回は俺の勝ちだったね」
そっと、繋がれた手はすぐに離された。
ちょっとだけ寂しいかも、なんて…変かな?
「ふん…花音は教えるの上手いからねっ」
「それはほんとにそう」
えぇ…?
なんで急に二人から褒められてるの、わたし。
「ありがと、花音」
「…どういたしまして」
改めてお礼を言われると、照れるなぁ。
…でも尊くんが喜んでくれてるみたいだから、テスト週間、勉強頑張ってよかった。
──きみと二人分の吐息、
わたしをドキドキさせるにはそれでじゅうぶん。