【完】溺愛禁止令




「おはよー…じゃなくてさ! 絃くんもどうせ小テストの勉強してないんでしょ」


「なんの小テスト?」


「数学だって。あの先生小テストでも余裕で追試あるから勉強したほうがいいよ」


「うっそ、まじ?」




絃くんとこころちゃんの会話を傍観する。
なんだか、似たもの同士だなぁ。


ふたりとも先生の話聞いてなかったんだね…。





「ま、あたしは花音に教えてもらうからいいけど!」


「はぁ? ズル! 花音ちゃん、俺にも教えて」




…どうしよう。
なんて返せばいいのか分からなくなって、とりあえず苦笑い。



だけど会話の流れを途絶えさせることなく、すぐにこころちゃんが発言。





「ていうか! あんま花音のこと困らせんのやめてよね。この子人付き合い慣れてないんだから」


「え〜? …困らせちゃった?」