図星なのか、なにも言い返してこない。
…生ぬるいんだよ、ぜんぶ。
手出す相手間違えたな。
「その子はまだ16歳だ。未成年に手出したらどうなるか分かってんだろ」
「……くそっ。行くぞ」
はぁ。男たちの背中を見送ってから、小さくため息。
…なんか今日は花音以外と関わることが多くて疲れる。
「ご、ごめんなさい…尊くん」
「…ん? なんで花音が謝んの」
不思議に思いながら、二本のドリンクを持ち上げて花音の隣に座る。
「わたし、はっきり断れなかったから、尊くんに迷惑を…」
「いや。俺が助けたくて助けただけだからね。…それより、ほら。ココア」
花音にココアを手渡すと、彼女は単純に目を輝かせる。
「わたしが甘いもの好きって分かったの…!?」なんて言ってるけどさ。
見てたらわかるよ。



