「尊くん」
か細い声で、だけどハッキリ俺の名前を呼んだ。俺はノータイムで「どした?」と聞き返してしまう。
花音が指さす方へ俺も視線を向けた。
「……触れ合い体験?」
「うん。ヒトデとか、ナマコだって。行ってみたい」
花音…意外とそういうの好きなんだ。
目がキラキラしてる。かわいー。
俺はふっと微笑みながら、「行こ」って腕を引っ張る。
水の張られた触れ合いコーナーには、花音が言う通り複数のヒトデとナマコが優雅に鎮座していた。
高校生の背丈には少し位置が低すぎるから、俺も花音も自然にしゃがんで横に並んだ。



