君が死ねばハッピーエンド

「私は…“親友だから”だよ…」

「え?」

「さっき、親友のくせに自分のことばっかりって言ってたけど、親友だから…認めたくないよ」

「シイナ…」

朔が私の名前を呼ぶ。
自分は味方だって。頑張れって言ってくれているみたいで、涙がこぼれた。

「私が雰囲気に呑まれて自分が犯人だって言ってしまったら、ちーちゃんはもう二度と立ち直れなくなる。大好きな絵を一生描けなくなる。私はちーちゃんをそんな風に追い込んだ犯人を絶対に許さない。絶対に…。だって親友だから。大切だから。だからここには私の味方が一人も居なくなってしまっても、私は絶対に負けたりしない…。私はそんな人間じゃないって誰も信じてくれなくても、時間がかかってもいつかちーちゃんにだけは信じてもらいたいから!」

先生が私の席に来て、そっと背中をさすってくれた。

本当は怖くて堪らない。
誰の気持ちにも触れられないかもしれない。

それでもたった一人、二人でも私を信じようとしてくれている人が目の前に居て、それだけで私は立ち上がることができる。

「じゃあ誰がなんの為に…!」

クラスの中心の女子が椅子をガタッと鳴らして立ち上がった。

それと同時だった。

後ろのドアからちーちゃんが駆け込んできた。