君が死ねばハッピーエンド

「たった一つのそれだけ。“ちーちゃんの言うこと”には耳を傾けるのに、なんで“シイナちゃんの言うこと”は誰も聞こうとしないの?」

「それは…」

「最初に可哀想だったのは“ちーちゃん”だから?親友同士のゴタゴタのほうが面白いから?」

「…」

「あなた達は、今まで彼女とは友達じゃなかったのかな?」

「そんなことっ…」

「だったらなんで…!」

先生が大きな声を出した。
声を荒げる先生は初めてだった。

「だったらなんで誰も擁護してあげないの?そんなことする子じゃないって。罠かもしれない、嵌められてるだけかもしれないって。そんなことするような子じゃないって知ってるのになんで誰も彼女を信じてあげないんですか!」

シン…と静まり返った教室。
あんなに囃し立てていた女子達も、何も言えずに俯いている。

「私は…」

震える声を絞り出した私を、クラス全員が見た。