君が死ねばハッピーエンド

「なんの騒ぎ!?」

教室の前のドアから担任が入ってきた。

私を取り囲むようにできている輪。
和気藹々となんかしていない雰囲気に、先生はすぐに察した。

肩で小さく息をついたのが分かった。

「みんな、席に着いて」

「でも先生ー」

「いいから。早く全員、席に着きなさい」

いつもは穏やかな先生だ。
教師として叱ることはもちろんあるけれど、滅多に無いし、低いトーンの声色に、教室がますますピリついた。

全員が席に着くのを待ってから、先生は言った。

「先生はとっても悲しいです。あなた達はちゃんと話を聞こうともしないで犯人だって決めつけて責め立てている。クラス全員で。あなた達がやってることはイジメと同じです」

「だってちーちゃんが持ってきた証拠だけ見たら明らかに怪しいじゃん!」

「そうだよ。十分怪しいのに言い訳ばっかり…。親友なのに」

「“ちーちゃんが持ってきた証拠だけ”でしょう?」

「え…」

先生は口々に囃し立てる女子達の目をしっかり見て、言った。