君が死ねばハッピーエンド

「シイナ?大丈夫?」

「うん…ごめんね。行こっか。遅刻しちゃう」

「大丈夫。俺が守ってあげるから」

「…うん」

学校までの足取りはすごく重いのに、到着するのはあっという間だった。

憂鬱なことはなんで後回しになってくれないんだろう。

遅れれば遅れるほど、憂鬱も引きずらなきゃいけないんだけど、分かってるけれど一生やってこなければいいのにって思ってしまう。

解決できるならもちろんそれが一番いいに決まってる。

でも、解決できないかもしれないって、弱ったメンタルではどうしても強く、そう思ってしまうから。

周りの視線が痛い。
いつもの上靴も窮屈に感じる。

教室までの階段を上り切ったら、死刑を宣告されるんじゃないかとさえ思ってしまう。

突飛過ぎるけれど、それほど追い込まれていた。

教室の後ろのドアからそっと覗いたら、ちーちゃんは来ていなかった。

心臓がドクドク鳴って、むしろ痛い。

後ろのほうの席の子が咄嗟にこっちを振り返って「あ…」って声を出したのが始まりだった。