君が死ねばハッピーエンド

その日、ちーちゃんからの連絡は結局返ってこなかった。

次の日は休みだった。
日曜日に開催された文化祭の振替休日だ。

作り直した棺は大丈夫だったかな。
あんなことがあってもみんなで乗り越えたのに係もサボっちゃって、ちーちゃんのことがどうこうの前に無責任だったよな。

そんなことばっかり考えて、うじうじしている間に一日はあっという間に過ぎていった。

夕方過ぎに朔から電話が来た。
その電話に私は出なかった。
普通の調子で喋れる自信が無かったから。

″大丈夫?″

すぐにメッセージが来た。

″迷惑かけてごめんね。文化祭は無事に終わった?″

″大成功だったし、シイナは今はそんなこと心配しなくていいよ″

″係サボっちゃったからみんな怒ってるだろうな″

″分かってる人は分かってるよ″

″後夜祭はどうだった?″

″帰ったよ。シイナが居ないなら意味ないから″

″ほんとにごめん″

″明日は学校来れる?″

″頑張りたいけど…まだちょっと怖い″

″いつも通り迎えに行くから″

朔は優しい。
どんな時でも変わらない。

でも学校に着いてから頑張らなきゃいけないのは私自身なんだ。

ちーちゃんと話せないまま登校することはすごく怖い。
でも先生や朔がくれた気持ちを無駄にしたくないから。

一晩中考えていた。
その日、うまく眠ることはできなかった。

決心が完全にはつかないまま、朝が来た。