君が死ねばハッピーエンド

「先生…私、味方なんて居ないって思ってた。何を言っても誰にも信じてもらえないって」

「そんなわけないじゃない」

「どうしてですか?だって自分でも思うんです。私が何を言っても明らかにちーちゃんの状況のほうが悲惨で、しかも私達は親友ですよ…。そのちーちゃんが私を疑ってる。だったらみんなちーちゃんの言葉を信じると思います」

「でもあなたがそんな人間じゃないってことも知ってる人も絶対に居るわ。先生も含めてね」

「そう…でしょうか…」

「そうよ。あなたは絶対にそんな人間じゃない。それに″親友″でしょ?苦しいかもしれないけど、信じてあげて。気が動転してると冷静な判断が難しくなるの。きっとあなたのことをこんな風に追い込んでしまったこと、きっとすぐに後悔すると思う。その時にあなたは許せる?」

「私は…ちーちゃんが信じてくれたらそれだけでいい。一度は疑われたことなんてどうだっていい。ちーちゃんを失いたくない。そのほうがずっとずっと嫌だ!」

「だったら大丈夫よ」

先生が優しく微笑んだ。
頬がむず痒い。
涙が流れていることに気がついたけれど、拭うこともしないで私は泣いた。

「今日はもう帰って。ゆっくり休みなさい。また登校はできそう?」

「…きっと」

先生に頭を下げて職員室を出た。

鞄を教室に取りに行かなきゃいけない。
すごく怖いけれど置いて帰るわけにはいかないから私は教室に戻った。