君が死ねばハッピーエンド

壊されてしまった棺も、予定通り、文化祭本番の一週間前には完成して、
空き教室のセッティングも無事に終わり、文化祭前日を迎えた。

放課後には体育館のセッティング、校門の装飾の最終チェックとかが行われて、学校全体が浮き足立っているみたいだった。

そして、迎えた当日。

体育館での開会式。

「それではみなさん、今日一日、充実した日を過ごしてください」

校長の締めの言葉で、体育館全体にワッと歓声が湧き上がって、全校生徒が一斉に各自担当の場所へと流れていく。

「ちーちゃん!」

体育館を出て、入り口で無事見つけられた。

「シイナ、ごめん。ちょっと先に教室に戻ってて」

「どうしたの?」

「美術室から絵を運ばなきゃいけないの」

「あれ?まだ美術展示の教室に持っていってないの?」

「ちょっと完成に時間かかっちゃってさ。当日運ぶことにしてもらったんだ」

「そっか。手伝うよ」

「平気!すぐに終わるから」

「そう?じゃあ教室で待ってるね」

「うん。後半は私達お化け屋敷の係だから、急ぐね!」

「はーい」

ちーちゃんと別れて、私は教室へ向かった。
朔の姿は見当たらなかった。

朔は前半にヴァンパイアの役だからもう行ってしまったのかもしれない。

朔目当てのお客さんがいっぱい居そうだから、前半がかなり混雑するって予想されていた。