君が死ねばハッピーエンド

「なぁシイナ…俺の気持ちはどうなるんだよ…」

「朔…?」

「シイナは被害者だ。それは間違いない。文化祭の千種の時だって疑われて、信じてもらえなくて苦しかったよな。もっと力になれたんじゃないかって今でも悔やんでるよ、ずっと」

「朔が悔やむことなんて…」

「でも今は俺の中にだって嫌な感情もある。この前さ、渚先輩も一緒だったなんて聞いてないし、その先輩がシイナの犯人だったかもしれない。シイナはずっとあいつを信じて、信じてって言うけどさ、俺はシイナを信じたくて、守りたくてもがいてんのにお前は違う男のことばっか信じてって言うんだよな?俺には“助けて”って声に出して一度も言ったこと無いのに。先輩のことだけを助けて欲しいみたいに…。じゃあアイツが犯人じゃなくて他に犯人が居るって思ってんのか?誰が犯人だったら満足なんだよ!誰だったらお前は救われるんだよ!」

「朔…ごめん…ごめんなさい。私は朔に助けて欲しかった。でも言えなかったの。巻き込みたくなかった」

「大切な彼女に助けを求められて何が嫌なんだよ。守れなかった挙げ句に他の男の存在があったかもしれない気持ちがシイナに分かるか?」

「お願い朔…お願いだから信じて…。私は本当に渚先輩と何も…。ちーちゃんのせいにしてるみたいでズルいから言いたくなかったけど、渚先輩が学校でもバイトでも私を見てられるから協力して欲しいって。ちーちゃんも私の為に…」

「他の男には助けてって言ったんだな」

「朔それはっ…」

「また先輩のことばっか“信じて”か。俺とシイナってなんなの?」

「待って朔!朔!!!」

朔が私に背を向ける。
スローモーションみたいな足取りで私の前から去っていく。

何もかもが誤解なのに。
助けてって最初から声に出していれば全部信じてくれたの?

渚先輩のことも誤解だって。
私の言うこと全部…。