君が死ねばハッピーエンド

二学期だけで何回早退しただろう。

さすがに真っ直ぐ帰れなくて、公園に寄り道した。
まだお昼前で、制服でブランコに揺られている私を、たまに通り過ぎる人達は不思議そうに見た。

渚先輩からメッセージが来ていた。

“ごめん。ちゃんと話がしたい。でも今は混乱していてシイナちゃんを納得させられるような話はできない。ただ俺はヤッてないってことしか言えない。ごめんな”

そのメッセージに私は返信できなかった。
どの言葉を並べてみても、先輩を肯定しても否定しても間違ってる気がした。

鞄に乱暴に突っ込んだままの生徒手帳は、握り締めていたせいでページが汚くなっている。

朔が何も言わなかったこと。
ちーちゃんに突き放されたこと。
もう一度信じてもらえるように、これからはシイナを守るって言ってくれたクラスの女子達の沈黙。

犯人が私に望んだ未来は孤独だったのかな。

次の日も私は学校を休んだ。
誰からの連絡も無くて、クラスは私が居なくて、日常を取り戻したのかもしれないって思った。

今回の学校でのことや文化祭、さすがにバイト先で起こったことが、パパとママの耳にも入った。

今まで黙っていたこと、警察沙汰にまでなっていたことをママは酷く泣いて、私を叱り、抱き締めてくれた。

カフェでのことが今まで両親に知られて居なかったのは、店長が警察の人に話してくれたのかもしれない。

パパとママと話し合って、私も冬休み明けまで、自主的に休学することになった。

「明日、学校に連絡するわね」

そう言って目頭を押さえたママの姿に、酷く胸が痛んだ。