君が死ねばハッピーエンド

保健室で休んで、三時間目からクラスに復帰した。

渚先輩のことは広まるのが早かった。

私が教室に戻っても遠慮無しに囁く声が聞こえる。
もうこのクラスでは“非日常”のほうが“日常”になってるみたいだ。

「どういうこと?」

「ちーちゃん…」

三時間目が終わって、休憩時間。
私の机に来たちーちゃんの表情はすごく怖かった。

座ったままの私を立って無表情で見下ろしている。

「渚先輩のこと本当なの?」

みんなだって聞きたくて、でも文化祭で私を犯人にしようとしたことや、私が被害者なことから遠慮していたのだろう。

ちーちゃんの言葉を待ってましたとばかりに、みんなが私達に注目した。

「停学になったことは…ほんとだよ」

「受け入れたってことは先輩が認めたってこと?」

「違う!そんなんじゃないと思う…。でも私も先輩も何も言えなかった。何も言えないなら肯定したことになる…だから…」

「でも先輩がシイナの生徒手帳を持ってたんでしょ?盗んだんじゃないならなんで持ってるの?カフェのことだって、先輩ならギリギリ顔までは映らないカメラの位置とか把握してたんじゃないの」

「そんなことない!カメラに映ってた人は変装もしてたし、あれなら誰だって!」

「さっきから必死で庇うね」

「え?」

「“盗んだこと”をそんなに否定したいなら、盗んだんじゃないなら本当は頻繁に先輩と会ってたんじゃないの?」

ちーちゃんじゃない、他の女子が言った。

「でも会ってたとしても人の手帳持ってんのはおかしくない?」

一人が喋り出すと、みんなが一斉に言いたかったことを喋り出す。
文化祭の時と同じだった。

私を信じる。
これからはもう一度信じてもらえるように変わるからと言った女子達の顔を順番に探す。

私と目が合った委員長が「だからもう勝手に言いたいこと言うのやめようよ!」って言った。