君が死ねばハッピーエンド

生徒手帳と学生証はその場で私に返された。

十二月に入ったばっかりだった。
冬休みまではまだ三週間くらいある。
先輩は受験生でもあるのに冬休み明けまで停学処分を言い渡される声と、涙が止まらなくて私が鼻をすする音が、自分のことなのに遠くに聴こえた。

生徒手帳には触れられなくて、先輩の机から私の机に移された手帳を、ボヤける視界で見続けた。

「鞄…は持ってきてるな。手続きはこっちでしとくから。このまま帰れ」

「シイナちゃん、俺は…」

「さ、行きましょう。失礼します」

先輩の言葉を待たないで、私は担任に連れられて生徒指導室を出た。

出たところで力が抜けて、しゃがみ込んで泣きじゃくる私の背中を担任がさする。

きっとこれは事実じゃないって信じたいのにこれ以上の真実なんてどこにあるの。

じゃあなんで先輩は昨日私達と会ったんだろう。
カモフラージュ?
自分は味方だよって顔をして、本当は怯える私を笑ってたの?

泣きながら手の中で強く握りしめた生徒手帳の角が手の平に刺さって痛かった。