君が死ねばハッピーエンド

クラス中の視線が痛かった。

本当に無くしただけかもしれないし、
帰ったら部屋の床に落ちてたり、机にポンって置いてる可能性だって高い。

いつも鞄の内ポケットに入れていて、別に日常で使う物じゃないから滅多に触らない。
それがふとした拍子に滑り落ちることだって、たまにはきっとある。

みんなはきっと事件の延長線上だって思ってるだろうけど、きっと違う。
明日になったらちーちゃんに「シイナは本当におっちょこちょいなんだから!」って怒られてるはず。

そう願って、膝の上でギュッとこぶしを握って俯いていた。

クラス全員の持ち物検査が終わった頃。
ちょうどホームルームの時間が終わって、一時間目までの小休憩に入るチャイムが鳴った時だった。

「失礼します。先生、ちょっといいですか」

教室の前のドアから男性教師が入ってきて、手招きで担任を呼んだ。

三年生男子の体育を受け持つ先生で、いつもジャージを着用している。
確か渚先輩のクラスの担任だったはず。

「どうしたんですか」

担任がドアに近づくと、男性教師は担任を廊下まで連れ出して、ドアを閉めた。

「なになに!?」

「てか三年の先生じゃん。うちらになんか関係あんの?」

教室が一気に騒がしくなる。
絶対に聞こえるはずもないのに、廊下の窓側の男子が窓に耳を押し当てて盗み聞きしようとしている。

急に騒がしくなった教室の中で、ちーちゃんと朔だけがジッと私を見ていた。