君が死ねばハッピーエンド

そう思うのに、事件が起きるたびに気持ちを奮い立たせて何度も立ち上がってきたのに。

本当にこの世界に神様がいるのなら、どうして神様は私を許してくれないんだろう。

人生には善いことも悪いこともおんなじくらいあるんだよって聞いたことがある。

だったらこの後はもう全部幸せでなくちゃ不公平だ。

火曜日。

朝のホームルームは全学年一斉の持ち物検査になったと、担任が告げた。

ゲームを没収されたり、いくらなんでもお菓子を持ち込みすぎだって注意されたり、酷く叱られるような状態の生徒は居なかった。

そんな中、私の番になった時。
“常時所持“が校則にもなっている生徒手帳が無くなっていた。

生徒手帳だけじゃなくて、中に挟んでいる学生証も丸ごと無くなっていた。

「忘れてきたの?」

「いえ…そんなはず…でも無いならそうなのかも」

「絶対に自宅にある?」

「…分かりません。いつも鞄の内ポケットに入れっぱなしだから」

私と担任の声だけが教室に響く。
みんな私の事件を知っている。
もちろん担任も。

不穏な空気が流れた。

「帰宅して、もし見つからなかったら紛失届を学校に出してください。できれば…警察にも」

「警察にも?」

「学生証も無くなってるのよ。写真も付いてるし立派な個人情報よ」

「分かりました…」

さて!とわざと大きな声を出して、不穏な空気を切り裂くように担任は次の席へ移った。