焦った心を落ち着かせるために、もう一度、毛づくろいしようとする。
たけど、やっぱり毛がない。
変な夢でも見ているんだと思い、少し寒いけどそのまま二度寝することにした。












「うわあああ」
奏斗くんの悲鳴で目が覚めた。
寝ぼけているのかな、と思い目を開けると、奏斗くんが私を見てびっくりしている。

「どうしたの?」
私が聞くと、奏斗くんはさらに目を見開いて驚いた。

どうしたらいいのか、困っていると

「とりあえず、何か着てください」
奏斗くんが部屋着を私に渡してきた。
奏斗くんは私から目を逸らす。

どうしたのかと思って起き上がってみると―――

私は人間になっていた。
でも服は着ていない。
真っ裸だ。

普段は毛皮がついている私にとって、この状態は寒過ぎる。
ありがたく奏斗くんの部屋着を借りることにした。








「君は誰なの?」

奏斗くんが困惑している。

「ミヤだよ!寝てたら人間になっちゃったみたい」
私がそう言うと、奏斗くんは変な人を見るような顔をした。

「ミヤだって信じてくれないなら、ミヤにしか分からない質問してみれば?」
家の中の奏斗くんのことは何でも知ってるから、絶対大丈夫。
どんな質問でも答えられるはず。

奏斗くんが、こっそり集めてるお菓子のおまけも、いつも使ってる毛布がないと眠れないことも、全部知ってるもん。