周りをキョロキョロ見回す私たちをよそに、慣れた足どりでフロント前のソファに荷物を降ろすリョウさん。


さっき、送迎バスの運転手の人と何か話していた様子から、通常のチャックインはしないみたい。


待つ程もなく、スーツ姿の恰幅のよい男性が近づいてきて、リョウさんに声をかけた。


「リョウ、よく来たなあ」

「叔父さん、今日は無理を聞いてもらってありがとう」


にこやかに話す二人。


体格は全然違うけど、目元が似ているかも。


私たちも全員、リョウさんの叔父さんに挨拶しお礼を言った。


「いやあ、大勢で来てくれて嬉しいよ。
でも、リョウ、莉絵(リエ)ちゃんから聞いたよ。
今回実家には寄らないんだって?」

「ええ、友人達と来ているので……」