この恋、危険物につき取扱注意。

今まで、どんな気持ちでいたんだろう。



どんな気持ちで、俺たちを見ていたんだろう。


この、俺の最大の理解者は。




ありがとうと言うのは何だか皮肉な気がして、俺は里季に微笑み返した。


「行ってくる」



「行ってこい」




里季のその声援を背に、俺は静かに立ち上がり歩き出した。


教室のドアにはめ込まれたガラスの向こう、小さな肩をさらに小さくして突っ立っている人影の所へと。