「すげぇと思う。どんなにからかわれたって、嫌がられたって、ずっと沖1人のことを好きでい続けるんだ。…そんな風に、好きになってもらいたいと思った」


里季の言う沢瀬への憧れは本当だろう。

けれど里季が沢瀬を好きだったのもきっと、嘘じゃない。




「で、何かあったんだろ?沢瀬さんと」


俺は小さくうなずく。



「八つ当たりした」


「はぁ!?何だよ、お前そんなキャラだっけ?」



「知るか」


そう毒づいて、俺は面白そうに笑っている里季のほうを見た。


「ほんと、ばかばかしいな」

里季がそう言ってそっと微笑む。



「お前だって、好きなんだろ?」