俺はしばらくの沈黙を置いてその答えを置き去りにしたまま、沢瀬から逃げるように走り去る。





「あ、先パイ!?」


引かれた手も、振り解こうと思えばいつでも突き放すことができた。



楽しくなかったかと訊かれてうなずいておけば、沢瀬だって少しはおとなしくなったかもしれない。



なのに、どうして― 。




鼓膜に響く、クリスマスソング。



その曲の後を追うように、沢瀬の声が耳についてなかなか離れようとしなかった。