この恋、危険物につき取扱注意。

数秒の間、その言葉の意味が理解できなかった。

…いや、あるいは理解したくなかっただけかも知れない。



キラキラした目でこっちに向かって突進してくるのは― 。

…沢瀬だ。




「先パイっ!!」


「いっ…てぇ!」


沢瀬のタックルをまともにくらって、俺は腹を押さえて歯をくいしばる。



沢瀬はそんなことは全く気にせず、のんきに飛び跳ねている。

「えっ、えっ、どしたんですか先パイっ。まさかはるばる私に会いに…」


「来ねーよ」


俺が間髪いれずに否定すると沢瀬が恥ずかしそうにぽりぽりと頭をかきながら、



「やっぱりですか?」


と能天気に笑う。