この恋、危険物につき取扱注意。

白い息を吐きながらこちらに歩み寄ってきたのは、里季だった。


「1人で寂しく散歩か?」


その質問に、


「お前はどうなんだよ」



とケンカ腰に答えると、里季は開き直った様子で笑った。


「俺は寂しく散歩だよ、彼女もいねーし。勉強ばっかで頭もおかしくなりそうだったしな」



「俺もだよ」


そうつぶやくと里季が仲間でも見つけたかのようにうれしそうに、

「やっぱし?」



けれどそう言ってから疑惑に満ちた目で、


「何言ってんだよ。お前には沢瀬さんがいるだろ?」




聞きたくなかった言葉に、俺はあからさまに顔をしかめる。

そのとき里季がにやりと意地悪く笑って忠告した。








「…ほら、来たぞ」