この恋、危険物につき取扱注意。

突然の話題転換に置いていかれそうになりながら、俺は沢瀬を止めにかかる。




「おい、俺はどこも行かねーぞ」



俺は当たり前のことを言ったつもりだったが、沢瀬にはひどく驚かれた。


「えぇ!?なんでですか!?」


「なんでって…これでも受験生だし」


「クリスマスぐらい息抜きしましょーよ!私と!!」


「断る」


沢瀬は全身の力を抜いてため息をつき、力なくつぶやいていた。



「まじめですねぇ先パイ…。そんなとこも大好きです」



それが普通だろう。

その真面目の裏には、沢瀬とクリスマスなんて過ごしてたまるかという思いがあるが、それは伏せておく。