季節の変わり目、何号だったか台風が俺たちの町へ訪れた。
暴風警報が出され、授業が切り上げられて一斉下校となり、みんなが激しい雷雨の中水たまりを蹴り上げて帰っていく。
俺も前から吹き付ける風にあおられながら、早足で家への道を歩く。
里季が傘をひっくり返しながら、
「あ、沖。今日本屋寄っていい?」
特に断る理由もなかったし、一時でも雨をしのげると思ってうなずいた…のが間違いだった。
本屋の雑誌コーナーにたっていたのは、髪からぽたぽたと水を滴らせている沢瀬だった。
雑誌からふと顔を上げた沢瀬と、俺の目が合う。
「沖先パイ!?」
俺はあわてて沢瀬の口をてのひらでふさぐ。
暴風警報が出され、授業が切り上げられて一斉下校となり、みんなが激しい雷雨の中水たまりを蹴り上げて帰っていく。
俺も前から吹き付ける風にあおられながら、早足で家への道を歩く。
里季が傘をひっくり返しながら、
「あ、沖。今日本屋寄っていい?」
特に断る理由もなかったし、一時でも雨をしのげると思ってうなずいた…のが間違いだった。
本屋の雑誌コーナーにたっていたのは、髪からぽたぽたと水を滴らせている沢瀬だった。
雑誌からふと顔を上げた沢瀬と、俺の目が合う。
「沖先パイ!?」
俺はあわてて沢瀬の口をてのひらでふさぐ。