この恋、危険物につき取扱注意。

「いや、そんなことはないけど…」



珍しく沢瀬の口から正論が出てきたのに驚いてたじろいでいると、沢瀬が両手を胸の前で組み、うっとりと言った。



「あのときの先パイ、ステキでしたよぉ…」


「どこがだよ」


沢瀬が俺を素敵だと言う理由がさっぱりわからない。




けれど沢瀬はそんなの全く気にした風もなく、いつもどおりの笑顔でさらっと言った。



「決まってるじゃないですか、先パイの全てがですよ!」



「聞いてるこっちが恥ずかしいからやめろ」


俺はぐいぐいと沢瀬の背中を両手で押して追い返す。