この恋、危険物につき取扱注意。

あのときは顔なんてろくに見ていなかったから、あれが沢瀬なのかもわからない。



「あれでもう、一目ぼれですよ!」


「まったマンガみたいなベタなことを…」




こんなことならあのとき助けるんじゃなかったと思いつつ、呆れてそこで言葉を切ると、


「確かにベタですけど、でも…」



沢瀬が俺と同じく途中で言葉を止めるので、俺は首をかしげる。



「ベタなパターンだったら、好きになっちゃいけないんですか?」