俺が歩き出そうとすると沢瀬は、



「あ…っ」




と何度か口をぱくつかせて、



「ありがとうございました」



と、名残惜しそうに笑った。







家への道を歩き出した途端、もう終わったと思っていた花火が背後ではじけ、その後は何も聞こえなくなった。