「キレーですねぇ…」




うっとりと花火を見つめる沢瀬は、いつもの学校でどたばたはしゃぎまわっている沢瀬とは何か違っていて、戸惑った。






どれぐらいの間、無言で花火を眺めていたのだろう。


花火が途絶え空が静まり返って、俺は踵をとんとんと地面に打ち付ける。




「終わったか?」


沢瀬がゆっくりとこちらに視線を移して、



「みたいですね」



「もういいだろ。帰るぞ」